たけるそんのお話
10月2日の夜、スマートフォンが鳴った。球団関係者からの電話は「何の連絡かなって全然わからなくて」。しかし「『スーツで来て』と言われた瞬間に、もしかしたらなと……」と事態を察した。
10月2日の夜、スマートフォンが鳴った。球団関係者からの電話は「何の連絡かなって全然わからなくて」。しかし「『スーツで来て』と言われた瞬間に、もしかしたらなと……」と事態を察した。
それでもまだ、どこかに希望を持っていた。でもやはり、翌3日に告げられたのは戦力外。現実を突きつけられ、思わず出た言葉は「素行に問題があるんですか?」だった。「なんか『え!?』みたいになっちゃって。『悪いことがあったなら教えてほしいです』と。でもそうじゃないと言われたときに『ああそうか。俺、何もしてねえじゃん』って」と虚無感にかられた。
「一番は悔しさですね。まさか2年でクビになるとは思っていなかったです。しかも7月の終わりくらいから打撃で掴めたものがあって、自分の中でこれで来年勝負しよう、春に絶対に支配下になって1軍で出てやるぞと思っていた。謎に根拠のある自信があったので、志が上にあった分、余計にバーンと突き落とされた感じでした」
2022年のOP戦ではハマスタで快足披露「つま先から脳天まで鳥肌たった」
寮の自室に戻ると、涙があふれ「号泣しながら親に電話しました」。それでも、そのときには覚悟が決まっていた。「こんなことでやめられない。もっと上にいって、もっと楽しく野球をするから、それまで待っていて」と伝えると、両親は「頑張って」と言葉をかけてくれた。
ファンからSNSに届くメッセージも「期待を裏切ってしまって本当に申し訳ない」と見ることができなかった。ようやく目にできるようになったのは、約1週間が経った頃。励ましの声や温かい言葉に救われ、次のステージへの糧となった。
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